「昔は普通免許を取ったら、おまけで自動二輪免許が付いてきた」という話を聞いたことありませんか?
しかも、大型二輪免許。
今や、大型二輪の教習があり、大型二輪免許のハードルも下がっています。
私が大型二輪免許を取った頃は、大型二輪の教習はなく、試験場の一発試験(飛び込みと呼んでいた)しかありませんでした。
今のように、普通二輪と大型二輪の区別がなく、自動二輪免許というひとつの免許の中で、小型限定、中型限定、限定なしと分かれていました。
大型二輪免許は自動二輪免許の小型限定とか中型限定の限定を解除するということで、限定解除と呼んでいました。
小型限定から中型を飛ばして、いきなり大型二輪へ限定解除した話は、あまり聞きませんが。
苦労して自動二輪免許の限定解除をしたのに、普通免許を取ったら、おまけで自動二輪免許が付いてきたのは、なんともうらやましい話です。
そこで、普通免許を取ったら、おまけで自動二輪免許(大型二輪免許)が付いてきたのは、いつからか?
また、普通免許を取っても、おまけで自動二輪免許(大型二輪免許)が付かなくなったのは、いつからか?
を調べてみました。
普通免許が新設されたときから自動二輪免許が付いてきた?
普通免許が新設されたのは、1933年(昭和8年)。
その当時に新たにできた運転免許の種類は、普通免許、特殊免許、小型免許の三種類。
このときは、まだ自動二輪免許はありませんでした。
普通免許で運転できる自動車は、普通自動車と小型自動車。
小型自動車とは、小型四輪自動車(750cc以下)と自動二輪車(750cc以下)。
なので、小型免許で自動二輪車を運転できました。
当然、小型免許の上位免許である普通免許で自動二輪車を運転できました。
つまり、「普通免許が新設されたときから、おまけで自動二輪免許が付いてきた。」
というより、正確には「普通免許で自動二輪車を運転できた」ということですね。
しかも、小型免許は試験がなく、申請するだけで免許を取れたそうです。
自動二輪免許だけでなく、750cc以下の四輪自動車の免許もおまけみたいなものだったのですね。
普通免許で軽自動二輪車(150cc以下)を運転できたが、150cc超の自動二輪車は運転できなかった?
1948年(昭和23年)に、小型免許が第一種から第四種まで細分化されました。
また、小型免許にも試験が導入されました。
二輪については、小型第三種が二輪車(限定なし)、小型四種が軽二輪車(150cc以下)。
このときから、普通免許で運転できる自動車は、普通自動車と小型自動車のうち第一種(1500cc以下の四輪車、前二輪により操縦する三輪車)と第四種(軽二輪車=150cc以下)になりました。
小型自動車第三種の二輪車を普通免許で運転できないので、普通免許で運転できる二輪車は軽二輪車(150cc以下)ということになります。
1949年(昭和24年)に自動二輪免許と軽自動二輪免許が新設されました。
新設されたというより、小型免許から分離・区分変更した感じですかね。
小型免許(第三種)→自動二輪免許(限定なし)、小型免許(第四種)→軽自動二輪免許(150cc以下)。
このときの普通免許で運転できる自動車は、普通自動車、小型四輪自動車(1500cc以下)、軽自動二輪車(150cc以下)。
普通免許で運転できる軽自動二輪車が250ccになった
1952年(昭和27年)、軽自動車免許(軽免許)が新設されました。
軽免許で運転できる自動車は、360cc以下の四輪自動車と250cc以下の軽自動二輪車。
軽免許が新設されたことで、軽自動二輪免許は廃止となりました。
普通免許で運転できる自動車は、普通自動車、小型四輪自動車(1500cc以下)、軽自動車(360cc以下の四輪車、250cc以下の二輪車)。
このときから、普通免許で運転できる二輪車が150ccから250ccとなりました。
1960年(昭和35年)、小型四輪免許が廃止され普通免許に統合されました。
また、原付免許(第一種、第二種)が導入されました。
普通免許で運転できる自動車は、普通自動車、自動三輪車、軽自動車(360cc以下の四輪車、250cc以下の二輪車)、第二種原付自転車(125cc以下)、第一種原付自転車(50cc以下)。
普通免許で自動三輪車を運転できるようになりました。
普通免許で自動二輪車を運転できなくなった
1965年(昭和40年)、軽免許に含まれていた二輪の軽自動車(250cc以下)が自動二輪免許に区分変更されました。
これにより、軽免許で250ccの二輪車を運転できなくなりました。
普通免許で運転できる自動車は、普通自動車、軽自動車(360cc以下の四輪)、小型特殊自動車(1964年より)、第一種原付自転車。
軽免許で250ccの二輪車を運転できなくなり、同時に軽免許の上位免許である普通免許でも250ccの二輪車を運転できなくなりました。
また、第二種原付免許(125cc)が自動二輪免許に区分変更されたので、125ccの原付自転車も普通免許で運転できなくなりました。
普通免許で運転できる二輪車は第一種原付自転車(50cc以下)のみとなりました。
1965年の改正以降に取得した普通免許から自動二輪車を運転できなくなりました。
ただし、改正前に普通免許を受けている人は、既得権で自動二輪免許(限定なし)を受けたものとみなされました。
つまり、1965年の改正前に普通免許を取った人が、おまけで自動二輪免許が付いてきて、1965年の改正後に普通免許を取った人は、おまけで自動二輪免許が付かなくなりました。
おまけで自動二輪免許が付くか付かないかの分岐点は、1965年の免許改正でした。
さいごに
普通免許を取った人は、おまけで自動二輪免許(大型二輪免許)が付いてきた話でした。
もともと普通免許で自動二輪車を運転できたのが、1965年の改正で自動二輪車を運転できなくなりました。
しかし、1965年の改正前までに普通免許を取った人は、運転できる自動車に変わりなく、自動二輪車も運転できました。
なので、1965年の改正前までに普通免許を取った人の運転免許証は、「普通免許+自動二輪免許(現在は、中型免許(8t限定)+大型二輪免許)」。
また、1965年の改正前までに普通免許を取った人の運転免許証は、「大型二種免許+大型二輪免許」となっています。
とはいっても、そんな免許を持ってる人は高齢者ばかりです。